2026年11月2日月曜日

杉本博司の写真

Hiroshi Sugimoto

杉本博司が、ワシントンの「スミソニアン博物館」の庭園をデザインし、そこがオープンしたというニュースが昨日あった。杉本博司は建築や演劇の演出などで活躍し、世界的に評価されているアーチストだが、出発点は「写真」だった。

10 年ほど前に「杉本博司 ロストヒューマン展」という写真展が東京都写真美術館であった。すべて白黒写真だが、その中でとくに「劇場」シリーズが印象的だった。使われなくなり、廃墟になった映画館で、真っ暗なままスクリーンに2時間くらいの映画を投影し続ける。その間シャッターを開放したままで長時間露光する。するとスクリーンは真っ白になり、その光の反射でボロボロに崩れた劇場がうっすらと照らし出される。

アメリカに実際にある廃墟の映画館を使って撮影した。どうせ画面は真っ白になるのに、投影する映画作品にこだわり、廃墟にふさわしい終末論的な映画を選んだという。例えばこの作品では、核戦争で人類が絶滅するという有名な映画「渚にて」だそうだ。杉本博司が一貫して追求するテーマは「時間」や「歴史」であり、展覧会のテーマ「文明の終わり」のメッセージが強く伝わってくる。


0 件のコメント:

コメントを投稿