The Grudge
レバノンのベイルートに「いじわるの家」という建物がある。4階だてのアパートだが、幅が2mもないくらいの塀のように薄い建物だ。ここは、地中海が見える眺望の良い場所だが、その場所に建っているマンション(写真右側)の眺望を遮る目的のためだけに建てられた。オーナーどうしが仲が悪かったのだろう。それで「いじわるの家」と呼ばれる。文化人類学者のエドワード・T・ホールの「かくれた次元」は、人間が他者との間で無意識にとる「距離」が持つ文化的な意味について研究した面白い本だが、そこでこの建物が紹介されている。
ついでだがこれは、同書の「日本」と「アラブ圏」の人々の、空間に対する意識の違いを比較をしている章で取り上げられている。日本文化についても、日本人自身があまり意識していないことに気づかせてくれる本だ。
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