Wergman & Fontanege
幕末から明治にかけて西洋から入ってきた絵画は日本の画家たちに衝撃を与えた。そして洋画を学ぶ画家たちが現れたが、彼らを指導した二人の西洋の画家が大きな役割を果たした。チャールズ・ワーグマンとアントニオ・フォンタネージだ。
ワーグマンは、イギリスの絵入り新聞の特派員として幕末に来日して、雑誌のイラストを手掛けたが、絵画の先生でもあり、明治になって洋画の先駆者となる日本人の画家を育てた。今でも横浜の外人墓地に眠る、横浜の人には馴染み深い人だ。
ワーグマンの「街道」という代表作で、保土ヶ谷付近の風景を描いている。木漏れ日が心地よい街道を歩む夫婦の姿と、馬が繋がれた茶店などが描かれている。ワーグマンは、亀井竹次郎や五姓田義松など、明治になって洋画の先駆者となる画家たちを育てた。
もう一人のフォンタネージは、明治初期に日本の美術学校の教師になったイタリア人で、バルビゾン派的な作風だった。代表作は「風景(不忍池)」で、画面中央に太陽があり、空や木や池はその光の陰影として描かれている。茶褐色系統の色で統一されて、静寂な空気感を魅力的に描き出す手法は日本絵画になかったもので、日本人に衝撃を与えた。フォンタネージは浅井忠や小山正太郎などの日本の洋画をリードする弟子を輩出した。
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