2025年9月2日火曜日

「防災の日」の政府防災会議

 Disaster Prevention Day

昨日9月1日は「防災の日」だった。例年どうりこの日には、首相以下全閣僚が危機対応の訓練をする「総合防災会議」が行われ、その様子が TV で報じられていた。

しかしこの会議は、全員防災服を着ている儀式的なパーフォーマンスで、緊迫感などまったくない。そのことをある官僚が暴露していた。この会議のシナリオは官僚が作っていて、誰がどういう順番で、何を発言するかがも全て決まっていて、その台本どうりにペーパーを読んでいるだけなのだという。(写真でも全員がペーパーを眺めている)まず首相が「全力で被害状況を把握して、住民の安全を最優先に、政府一丸となって対応にあたるように・・」的なお決まりの訓示を垂れる・・・

この防災会議は、福島原発事故のわずか1ヶ月前にも開かれていた。その時もおざなりな台本朗読方式だったから、全員がその訓練のことなど頭に何も残っていない。だから事故が実際に起きて、首相以下全員どうしていいか分からず右往左往した。

特に住民の避難指示がひどかった。事前の訓練会議で、すでに住民避難のさせ方についてレクチャーされていた。この地域の風向きが南東からなので、放射能は北西の方向へ広がっていく。だから北西方向の 30 km の範囲の住民を避難させなければならないとしていた。ところが実際に出された避難指示は、原発から半径 10 km の同心円を描いただけの範囲だった。そして官房長官は連日 TV で「健康被害の心配はありません」と言い続けた。そして教わったとうりの避難区域に訂正したのが一週間後だった。その間、被害状況は悪化し続けた。ちなみにこの時政府が言い訳けに使った「想定外」は、政府のバカさ加減を表す言葉として、当時流行語になった。