2025年7月19日土曜日

「土用の丑の日」と記念日マーケティング

Anniversary Marketing

今日は「土用の丑の日」だが、始まりは江戸時代で、夏に売り上げが落ち込むうなぎ業界のために、夏こそ夏バテに効く栄養価の高いうなぎを、というキャンペーンとして、平賀源内が始めたといわれている。 これが「記念日マーケティング」の一番古い例かもしれない。そしてもっとも有名な「記念日マーケティング」の成功例は、チョコレート業界が始めた「バレンタインデー」だろう。欧米にもともとあった贈り物を贈る日に「チョコレート」を結びつけて、好きな人に「チョコレート」を贈る日にして大成功した。

いまの時代、商品そのものの「モノ価値」よりも、モノを通して得られる「体験価値」が重視される。チョコレートを贈るという感性に訴える「体験価値」を提供することで、ただの食べ物だったチョコレートの価値が高まったように、「記念日」はマーケティングの有力手法のひとつだ。

しかし、ただ「記念日」を作ればいいというものではない。いろいろな業界や企業が「◯◯の日」を決めて、「日本記念日協会」という団体に申請して、記念日として登録してもらう。この協会は、公的なオーソライズ機関に見せかけているが、実際は金儲けが目的の営利団体だから、登録料の何十万円かを支払えば、かたっぱしから記念日に登録してくれる。その結果、一年 365 日の毎日に数十もの記念日が登録されている。日にちはほとんどがバカバカしい語呂合わせ(例えば  11 / 29  =「いい肉の日」)で、何らかの価値を提供していないから、まったく消費者に響かない。丑の日のうなぎと違って「いい肉の日」だから、肉を食べようという人はいない。


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