「BIG」
「ビッグ」というロマンチック・コメディは、今から 35 年前の 1988 年公開で、今から35 年前の映画だが、この時代を思い起こさせる場面がたくさん出てくる。
まず舞台のニューヨーク都心の風景が写し出されるが、日本の電機メーカーのネオンで埋め尽くされている。この時代確かにそうだったなと久々に思い出す。JVC, PANSONIC, TOSHIBA, MINOLTA, SONY, などなど・・・
特に SONY のネオンは巨大だが、この頃コロンビア・ピクチャーズを買収した時代だった。アメリカ人にとっては、アメリカの魂である映画会社が日本企業に買われてしまったことには少なからず反感を買われたようだ。今の中国のように。
主人公の 13 歳の少年がビデオゲームに熱中しているが、モニターはブラウン管で、メディアはフロッピー・ディクス。画像は 8 ビットで粗いが、当時は日本でも同じで、みんなが夢中になっていた。
ゲームソフトのレンタル店も出てくるが、この店のショーウィンドウに「ATARI」の看板が見える。当時一世を風靡したゲームメーカーだが、粗悪なソフトを乱造して自滅してしまう。有名な「アタリ・ショック」だが、これをみて任天堂は、ソフトのクオリティが重要なことに気づいて、大成功を収めていく。
大人になった主人公は玩具メーカーに就職して商品企画を担当するが、画期的なアイデアでヒットを連発する。そして最後にビデオゲームに進出する計画を考えて社長にプレゼンする。 絵コンテで説明しているのは、ユーザーがストーリーを自分で決めていく、今でいう RPG のはしりだ。アナログ玩具会社が IT 企業に転身して成功した任天堂を思わせる。
冒頭の電機メーカーのネオンは今は一つもないし、そもそも企業自体が沈没してしまったところもある。ただ任天堂や SONY のように IT コンテンツ企業に転身した会社がまだ元気だが、この映画はそんなことを予言しているかのようだ。
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