2023年1月7日土曜日

台湾が分かる台湾映画

 Taiwan Movie

台湾問題がよく報じられる昨今だが、そのもとにある歴史的な背景を知ることで、台湾をより理解できる。ここにまとめた台湾映画はその参考になる。いずれのテーマも単なる歴史ではなく、現在につながっている問題であることが分かる。そしてどの映画でも日本が大きく関わっている。


「非情城市」
国際的にも評価の高い台湾映画の名作。敗戦で日本人が去ると、入れ替わるように中国人が入ってきて台湾を支配する。その強権政治に抗議する大デモが起こると、中国軍は3万人の台湾人を大量虐殺する。この「二二八事件」を背景のもと、ある家族の運命をとうして、つねに外国の支配を受けてきた台湾の悲しみを描いている。(この映画については前回書いたので詳細はそちらを)



「セデック・バレ」
日本統治時代、台湾全土の開発が進められていたが、内陸の山岳地帯まで及ぶと、生活を脅かされた狩猟民族である原住民が抗日反乱を起こす。小学校の運動会を襲って 1 0 0 人以上の日本人が殺された「霧社事件」だ。この反乱のリーダーである気高い英雄バレを描いた映画で、台湾映画の名作だ。反乱鎮圧のために軍隊が出動するが、この対応に日本国内でも批判が高まり、原住民政策が転換されることになる。



「KANO   1931 海の向こうの甲子園」
日本統治下で、台湾代表として甲子園に出場した嘉義農業高校(KANO)が決勝まで勝ち進んだ実話に基づく映画。その快進撃に台湾中が熱狂する。人種差別的な雰囲気がある中で、日本人監督が、日本人、台湾人、台湾原住民、の生徒の混成チームで戦って快挙を成し遂げた。日本統治時代を美化している面もあるのかもしれないが、戦前の台湾社会の雰囲気が伝わってくる。



「日曜日の散歩者 忘れられた台湾詩人たち」
戦前の台湾で、シュールリアリズムの前衛的な詩人たちのグループをドキュメンタリータッチで描いた映画だ。台湾文学を創造しようとする彼らだが、日本語で高等教育を受けていたから、詩作も日本語で行なわざるを得ない。その葛藤が描かれている。戦後になると、中国から来た国民党政権になり、日本語が使えなくなるが、その代わり思想の自由がなくなってしまう。



「返校 言葉が消えた日」
戦後長く続いた国民党独裁政権による思想言論の統制が行われた。映画で、ある高校の反政府的な思想の生徒が、学校に踏み込んできた官憲に逮捕されるのだが、それほど統制が厳しかった。それでも学校の隠れ部屋で密かに集まって読書会を続けている生徒たちが描かれている。台湾が民主化されるのは、やっと 1 9 9 0 年頃だから、わずか 3 0 年前まで、専制独裁政治の暗い時代が続いていたことになる。



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