Song of the South
現在 NHK の Eテレ で放映中のシリーズ「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」の、 12 / 7 放送でウォルト・ディズニーが特集されていた。ディズニーは巨額の制作費をかけてヒット作を狙うが、失敗することが多く、いつも借金をかかえていた。
中でも「南部の唄」は猛烈な批判を浴びた。舞台は奴隷解放以前の農場で、使用人の黒人と白人の農場主の子供たちの交流を描いている。主人公の黒人の年寄りが古い民話を白人の子供たちに語って聞かせるという内容で、実写とアニメを融合した美しく牧歌的な映画だ。まるで奴隷制の人種差別など存在しなかったかのように、白人と黒人の関係を美化していることに批判が集まった。現実に存在する問題や、歴史的事実を無視した、ファンタジックで夢のような世界を描く、いつものディズニー映画なのだ。
批判を浴びたディズニーは現在ではこの映画を封印してしまい、無かったことにしているので、全編をビデオでもネットでも見ることができない。
ディズニーが無かったことにしている映画は他にもいろいろあって、人種差別的なシーンは今では全てカットしている。また第二次世界対戦中に作った「空軍力の勝利」は長距離爆撃機で日本を空襲すべきという提案をしている映画だが、さらに「ドナルドの襲撃部隊」は、ドナルドが落下傘で降下して日本軍をやっつけるという冒険アニメで、日本人を人種差別的に描いている。これももちろん今では見ることができない。
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