2020年9月11日金曜日

映画「The Wave ウエィブ」

「The Wave」 

「The Wave ウエィブ」は、1 9 6 7 年にアメリカの高校で実際にあった事件をもとにしたドイツ映画だが、面白くも恐ろしい映画だ。

「現代史」の教師が、ナチズムの模擬体験演習を始める。教師が独裁者役になり、生徒が独裁者を敬う国民役になる。敬礼、制服、組織名、ロゴ、などを決める。最初は遊び半分だった生徒たちは、だんだん本気で規律を守るようになり、のめり込んでいく。お互いの連帯意識が高まり、クラスは団結し、熱狂的になる。さらには狂信的なカルト集団のようになっていき・・・

狂信的な生徒の、銃による射殺事件が起きる。そこで生徒たちは、はっと我にかえる。自分たちが今やっていることは、ナチズム時代の国民と同じではないかと。

独裁者のヒトラーは、国民を強権的に自分に従わせたのではなく、むしろ国民が自発的にヒトラーを熱狂的に支持し、忠誠を誓い、一致団結していたのがナチズムの本質だった。そのことに生徒たちは気づき、ナチズムは過去のことではなく、新しいヒトラーが現れれば、自分たちも熱狂してしまうかもしれない、という恐ろしい気持ちになる。


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