2020年7月11日土曜日

ワイエスの父親 N.C.ワイエスのイラストレーション

N.C.Wyeth

ワイエスは、イラストレーターであった父親の N.C.ワイエスから絵を教わったのだが、その N.C. の作品は息子と並ぶくらい今だにアメリカで人気があるという。アメリカで画家兼イラストレーターとして長いこと活躍していた津神久三氏によれば、 N.C. の手がけた児童向け図書の「宝島」などは特に有名で、表紙に「Illustrated by N.C.Wyeth」と大きく記されている。この本の初版が 1 9 1 1 年というから、1 1 0 年間売れ続けているのだが、今だに N.C.Wyeth のイラストを見たくて買われているそうだ。

アメリカでは、イラストレーターは美大で絵を勉強した画力の高い人しかなれないハードルの高い職業だが、その代わり本や雑誌を一冊手がけただけで数百万円稼げるという。N.C.Wyeth もその一人だった。

アンドリュー・ワイエスの画力の高さは、父親から絵の指導を受けたからだが、そのせいか初期の作品はイラストレーション的な雰囲気が漂っているように感じる。いちばん有名な「クリスティーナの世界」も初期(1 9 4 6 年)の作品だが、ロマンチックな通俗小説か何かのイラストのように見えないこともない。イラストレーションの絵画との違いである「物語性」がこの絵にはあるからだろう。

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