2020年7月3日金曜日

ウェット・イン・ウェットで描いたチェンバレンの水彩画

Wet in wet    Trevor Chamberlain

「ウェット・イン・ウェット」はもっとも水彩画らしい技法だ。特に季節や天候によって変化する大気の空気感を表現するのに抜群の効果がある。やると結構難しいが、チェンバレンは自在に駆使している。画集から「ウェット・イン・ウェット」を多用した絵をあげてみた。(画像は「Trevor Chamberlain  England and Beyond」と「Trevor Chamberlain  A personal View」より)


雪と濃霧。ほぼ全面がウェット・イン・ウェットで、物の形がぼんやりと霞んでいる。空の色が極めてかすかに変化している。近景の道だけが乾いてからの加筆。
夕暮れどきの空と水。にじんだ色どうし溶け合って微妙な変化を作っている。
ボートと人物以外の、空と樹と遠景がウェット・イン・ウェット。それが自然に空気遠近法にもなっている。
たれ込めた暗い雲。ウェット・イン・ウェットでないと絶対に描けない。
雨でぼんやりした遠景。雨滴を透過してくる光の濃淡によって、湿った空気感を表現している。













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