2014年7月2日水曜日

ワイエスの「白黒コントラストの構成」

アンドリュー • ワイエスの絵でひんぱんにでてくるのが、白と黒の強いコントラストで画面を構成する手法だ。物の質感や立体感などは強調せず、どちらかというと平面的でグラフィックデザイン的な感じを受ける絵で、造形的な面白さ、新鮮さにあふれ、絵に対する既成概念を吹き飛ばすような感がある。それでいて現実感と説得力があるのは写実力のおかげだろう。木の前の女性像では、木も衣服もほぼ真っ黒で立体感も質感もなく描かれていて、顔の白さだけが際立っている。いちばん下の裸婦の絵は、背景が湖だが、大胆にも真っ黒く塗りつぶされていて、人体の白さと強いコントラストを作っている。そこで生まれる強い輪郭の曲線がこの絵のテーマだろう。




0 件のコメント:

コメントを投稿