2014年7月2日水曜日

ワイエスの「影の構成」

影と光は裏はらなので影の構成は光の構成と重なるが、ワイエスには影をうまく使った絵も多い。影についても、実際のモチーフには無いものを、画面を構成する手段として、頭の中で作り出している。だからよく見ると物理的にはあり得ない形で影が描かれているのだが、それが面白いパターンを作っている。また、影は空間感を感じさせるというおおきな効果もある。例えば下の犬の絵では、画面全体に「く」の字形の影を作り、そのことで犬の顔を明るく際立たせている。裸婦の絵では、人体という立体の上に作られた影の三次元的な形が魅力的なパターンを生み出している。





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