Post-Modernism Architecture
地元にある商業ビルだが、見るたびに気になる。てっぺんに巨大な青いモノが乗っていて、正面の壁には何やら目立つ出っ張りがある。典型的な「ポスト・モダニズム」建築なので、このビルの築年を調べたら 1990 年ごろだったので、やはりそうかと思った。当時大流行だったこのての建築の生き残りだ。最小限の材料とコストを使って、最大限の機能を生み出すという「合理性」を追求する「モダニズム建築」の思想が 20 世紀初めにコルビュジェなどによって打ち立てられたが、それを超える 21 世紀の新しい建築だというふれこみの「ポスト・モダニズム建築」が現れた。合理性を否定して、過剰に装飾的な形を作った。その結果、上のような建物がたくさん作られた。
いろいろな地域や時代の建築様式をわざとごちゃ混ぜにした統一感のないデザインが ”新しい” とされて、それを競いあった。写真の列柱のある半円形のバルコニー(形だけでバルコニーの機能はない)は、アメリカのホワイトハウス(写真右)を真似している。
「ポスト・モダニズム」が流行ったのは、ちょうどバブルの時代と重なっていて、このような無駄なデザインが平気で受け入れられていた。要するに「ポスト・モダニズム」とは、コマーシャリズムと結びついた目立つためだけのデザインで、”モダニズムを超える” などといった高尚な思想ではなく、一過性の流行に過ぎなかった。だからバブルの崩壊とともに消えてしまった。
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