2024年10月18日金曜日

静物の質感表現

Texture  

質感は「光」で表現できるし、「光」以外では表現できない。光が物に当たった時、光の反射(または吸収)の仕方は材質によって異なるからだ。そのことを2枚のパステル画で比べてみる。


梨は「梨地」という言葉があるくらいザラザラした表面の代表だが、左の絵はハイライトが強すぎて、プラスチックのようにツルツルした質感に見える。

葡萄は表面に粉をまぶしたようなサラサラした質感だが、左の絵のようにハイライトを強調しすぎると、形が球形であることはよく分かっても、葡萄ではなく、さくらんぼやチェリーのように見えてしまう。また葡萄の果肉は半透明なので光が透過して、右の絵のように、光が差し込んだ側の反対側がほんのりと明るくなる。

貝殻もザラザラした表面なので、左の絵ほどには明暗のコントラストは強くならない。

光が透過するガラスは、背景の色が透けて見える。同時にガラスは最も反射する材質なのでハイライトが強い。だから透過とハイライトだけで描く。左の絵のように、透過部分と反射部分の中間をグレーにすると、すりガラスのように見えてしまう。


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