2024年3月17日日曜日

狂わないデッサンの描き方

Studying the Pitcher


アマチュアの絵でこんなのを見かけたが、形がおかしい。静物画では、形の狂いがあると絵全体が嘘っぽくなってしまう。だから絵画教室の先生などは「モチーフをもっとよく見て」というが、目測だけで描いていると、狂いになかなか気づかない。そこで「物の形を構造的に見る」ことが必要になる。

下の図(あるデッサンの教科書の図に加筆)で、水差しの「構造」が示されている。ポイントは
・注ぎ口も取っ手も胴体の円錐の直径の線(C)上にある。
・取っ手の上と下の付け根を結ぶ線(B)の消失点は、胴体の円錐の(A)の消失点と一致する。
・底面は楕円で、胴体の線に外接している(○印)。



これに照らしてもとの絵を見ると、すべての点で狂いがある。
・取っ手の水平部分が胴体断面の円の中心軸を向いていない。
・取っ手の下の付け根が左側へずれていて、よじれている。
・胴体の線と底面の円が外接していないので、角がとんがっていて楕円になっていない。



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