2023年3月15日水曜日

映画「フェイブルマンズ」

「Fabelmans」 

スティーブン・スピルバーグ監督の自伝的映画で、8ミリカメラで家族の映像を撮ったり、友人たちと劇映画を作ったりして、映画に夢中になっていた自身の少年時代を描いている。その体験を通して、事実をありのままに撮ったはずの映像が、「編集」によってまったく違う意味を持つように創れてしまうという、映画の持つ”魔力”に気付いていく。

スピルバーグは、最も尊敬し影響を受けたのが、巨匠ジョン・フォードだったと言っているが、そのフォード監督に初めて会った時の体験がラストシーンで出てくる。映画会社に初めて監督助手として採用された若いスピルバーグは、憧れのフォード監督に挨拶に行く。部屋に自作映画のポスターが飾られているのだが、その中の2枚を指差して、この違いについて映画の「芸術性」の観点から説明しろと問われる。しかしスピルバーグ青年は答えられない。


フォードが正解を言うが、それは地平線の位置だ。画面の下の方にあるか、上の方にあるかの違いだが、ともに絵画的な奥行きのある空間を生み出している。そして地平線が真ん中にある映像は面白くない、と言う。映画の芸術性はショットの絵画的構図によって決まる、とフォードは教えている。

これは実に興味深い場面で、後のスピルバーグの作品が、このフォードの言葉に影響を受けていることがわかる。だから後に大監督になる出発点になった感動の体験として、この映画のラストシーンで描いたのだろう。

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