2023年3月3日金曜日

映画「ワース 命の値段」

「 Worth」

公開中のこの映画は、9.11 テロの犠牲者の遺族に国が補償金を支払う際の支払額が問題になった実際の話で、じつに興味深い。

政府から委嘱された辣腕弁護士が補償計画を作るのだが、必要予算を最小限にしつつ「公平」をはかるために、生前の所得額に比例した補償額を払うという計算式による算出方式を提案する。それは全員一律ではないから、会社役員と若い社員ではもらえる額に大差が出る。被害者を助けようとビルに入っていって犠牲になった英雄的な消防士も大した額がもらえない。遺族への説明会は、命に値段をつけるな!と大荒れになる。


遺族全員の合意が得られなければ、集団訴訟になり、自身の政府からの信頼も失うことを恐れる主人公の弁護士は必死に説得するのだが・・・  最後にドラマチックな結末を迎えるのだが、関心がある方は映画を。

日本でも思い出すだけでも最近、爆心地から離れた場所の原爆被爆者、C型肝炎ウィルス感染者、ハンセン病元患者の家族、優生保護法による優生手術を受けた人、原発事故の被害者、など国が補償する案件がたくさんあり、裁判になっている。性質は違うが、少子化対策で子育てに国が出す補助金でも、所得制限を設けるかどうかで揉めたりする。これらも映画と同じ「公平」とは何かの問題で、人ごとではない。


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