2021年3月30日火曜日

ボナールの鏡の絵

 Pierre Bonnard

ピエール・ボナールは、「鏡の画家」と呼ばれることもあるくらい鏡の絵が多い。特に有名なのは「逆光の裸婦」で、この絵には4枚の鏡が描かれている。モデルが映っている化粧台の鏡、黄色い壁に掛かっている三面鏡、右端の縦長の姿見(下のほうにうっすらソファが映っている)、そしてタライの水も窓を映していて鏡の役割をしている。鏡が光に満ちたこの空間のきらめきを強調している。


鏡は、手前の空間や、隠された部分を見せる道具として使われるが、絵の空間を広げたり、錯綜させる効果がある。3年前の「ピエール・ボナール展」にあった「化粧台の鏡」では、モデル自体の姿はなく、鏡に映った背中だけが描かれている。


「鏡の効果(入浴)」では、鏡が画面のほとんどを占めている。裸婦が鏡の中に閉じ込められていて、現実から離れた別の空間にいるように感じる。その姿を覗き見しているような感覚にする役割を鏡がしている。


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