「Balcony」 Manet and Magritte
マネの名作「バルコニー」は、奥行きのない平面化した絵画として有名だが、それを助長しているのは、室内を塗りつぶしている黒色のせいによる。この黒はただの黒ではなく、マネが得意にしていた「純粋で光に満ちた黒」で「マネの黒」と言われる。
この絵の特徴は、3人の人物(室内にもうっすらと4人目がいる)がそれぞれの視線はバラバラで、お互いの心理や感情の交流が感じられず、よそよそしい空気がある。
この絵のパロディを描いたのがマグリットで、マネの人物を棺桶に変換している。マネの「バルコニー」のバラバラ視線に触発されて、近代人の孤独や孤立性を誇張したものと言われる。(三浦篤『名画に隠された「二重の謎」』より)
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