奪ったのは、ゴッホ、ムンク、ミロ、シャガール、モネ、クレー、ピカソ、など、ヒトラーが嫌いだった現代絵画のほとんど全てだった。それらを笑いものにするために、「退廃芸術展」を開く。その一方で、伝統的な写実絵画をナチズムの思想に合致する国家公認芸術に認定して「大ドイツ芸術展」を開催する。
上は「退廃芸術展」の下見をするヒトラーだが、作品は額にも入れず床に並べている。下は「大ドイツ芸術展」の下見で、こちらは堂々とした展示。(画像は同映画予告編より)
(面白いのは、それまでのドイツは現代絵画の最先進国だったから、入場者数は「退廃芸術展」の方が圧倒的に多かったという。)
なお、イーゴリ・ゴロムシトク著「全体主義芸術」は、ヒトラーの芸術政策の詳細な研究をしていて参考になる。
映画「アドルフの画集」は、現代絵画を憎悪したヒトラーの原体験を描いている。画廊で絵の売り込みに失敗するが、その時、表現主義の展覧会が華々しく開催されている。自分の絵の古臭さを知って、画家の道をあきらめる。
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