"The 50 most controversial movies ever" and the movie "The Last Temptation of Christ"
アメリカの映画サイトに「映画史上最も物議を醸した映画 50 本」という面白い記事があった。トップ5は
1位「最後の誘惑」
2位「意思の勝利」
3位「ソドムの市」
4位「国民の創生」
5位「時計仕掛けのオレンジ」
激しい論争が起きたり上映禁止になったことで有名な映画ばかりで、暴力、性、差別、政治、宗教、などのテーマが多い。
そのなかでイエス・キリストの生涯を描いた宗教映画の「最後の誘惑」が第1位になったのは興味深い。十字架にかけられたイエスが十字架から降り、普通の人間として生きるよう悪魔から誘惑されて、女性と結婚して家庭を持つというストーリーが、アメリカ人の猛反発を受ける。実際どんな「物議」が起きたのか「アメリカ映画とキリスト教」という本に詳しく説明されている。
キリスト教保守派や福音派の宗教団体を中心に激しい抗議運動が展開され、映画館の前で入場妨害の実力行使をしたり、爆破事件さえ起きたという。その結果、映画は興行的に失敗し、スコセッシ監督は二流監督扱いされてしまう。
これらの保守的な宗教団体の信者はアメリカ人口の4分の1もいて、数を背景に政治にも大きな影響力を持っている。大統領選挙でも票のために彼らに迎合せざるを得ない。それで思い浮かぶのは、トランプ大統領の、イスラエル大使館をエルサレムに移すとか、対イスラム強硬政策とか、地球気候変動は科学者のでっち上げだと言ったりとか、が全てそこにつながっていることが分かる。だから映画の一本くらい潰すのは簡単なことなのだろう。
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