2017年6月24日土曜日

映画「残像」について(その2)

Words in the movie "Afterimage"

主人公のモデルはブワディスワフ・ストゥシェミンスキというポーランドの現代絵画の基礎を築いた人で、美術教育にも寄与した。大学の講義の場面をとおしてこの画家の絵画への考えが語られる。

「人は認識したものしか見ていない」・・・平たくいえば、ふし穴の目では大事なことは見えないということだろう。屋外実習の場面があるが、写生のためではなく、風景の奥にあるものを「認識」する訓練としてやっている。認識とは人が物を見る見方で、自分の見方を見つけることができてはじめて自由な表現が生まれる。

映画では「社会主義リアリズム」で芸術を統制しようとする文化大臣の演説に抗議するシーンがあるが、そのおおもとにあるのが上のような信念なのだろう。


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