House remodeling in movies
我々は戸建にしろマンションにしろ、できあいの家を買ってそのまま住むのが普通だが、アメリカでは中古を買うほうが多いせいか、映画にもリフォームがよく出てくる。それも単にきれいにするだけのリフォームではない。人それぞれの住まいに対する価値観がはっきりしていて、何としても家をそのとおりに変えなければ気がすまないという執念がうかがえて面白い。
「ローズ家の戦争」("The War of the Roses" 1989)
夫婦が豪邸を買い、妻は時間と金をかけてリフォームし理想どうりの住まいを作りあげる。やがて二人は離婚騒動になるのだが、家の所有を巡って泥沼の「戦争」になる。家を売れば十分すぎる慰謝料が入るのに妻は許さない。手塩にかけた家は我が子同然だからだ。映画だから誇張があるにしても住まいに対する人々の感覚が分かって面白い。それにしてもこのブラックコメディ、妻の冷酷さが凄まじい。夫にしか懐かない犬を料理してしまい、なにくわぬ顔で食べさせてしまったり・・
「セックス・アンド・シティ」("Sex and the City" 2008)
この大ヒット作で面白かったシーン。金持ちと結婚した女性が新居の豪邸を見に行くのだが、彼女がクローゼットが小さいというと夫はすぐにリフォームしてくれる。クローゼットというより大きい部屋の両壁面がすべて戸棚と引き出しになっていて、正面に靴収納用の鉄棒が何本も渡されている。超豪華な夢のようなウォークインクロゼットを手に入れた彼女はうっとりする。題名は忘れたが別の映画で、貧しい女性が「ガレージとウォークインクロゼットのある家に住むのが夢」と言っていたのが妙に印象に残っているが、それほどウォークインクロゼットは豊かな暮らしの象徴なのだろう。
「裸足で散歩」("Barefoot in the Park" 1967)
ホヤホヤの新婚さんが借りた古いアパートは極狭なうえに窓ガラスが割れていたり暖房や水道は故障中。そんなひどい家を奥さんがきれいにリフォームしてしまう。狭い空間をセンスよくまとめている。センスのいいインテリアを作るのは主婦力の見せ場のようで、よくホームパーティのシーンで客がまず部屋をほめるのはその表れだろう。
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