2020年2月15日土曜日

「バルセロナ展」を鑑賞

Barcerona

東京ステーションギャラリーで開催中の「バルセロナ展」は、ピカソ、ミロ、ダリ、などがパリで活躍する前の、バルセロナでの若い時代の作品を見ることができる。ピカソの素描「座る若い男」などもある。天才たちを育んだ芸術都市バルセロナの歴史と、そこで生み出された建築や工芸やポスターなど多彩。ガウデイの椅子を初めて見た。


2020年2月13日木曜日

「美しいテクスチャー」コレクション


直島(四国)の民家の壁や塀は、表面を焼いて炭にした板を使っている。黒々した家が珍しいが、近ずくと不思議なテクスチャーをしている。

東京駅内のステーション・ギャラリーの壁面に駅建設時のままのレンガが使われている。ところどころ意図的に打ち欠いていて、レリーフのように美しい陰影を作っている。

ランプシェード。銀糸を紙すきのような方法でシートにしている。密度が高いせいで、隙間から透過する光が柔らかい。

葉脈を接写。名前は知らないが、血管が浮き出たような動物的な感じがする。

サビて塗料がめくれた鉄格子。よく見かけるが、こんなに盛大なのは珍しい。

2020年2月10日月曜日

「永遠のソール・ライター」展を観た

Saul Leiter

街角で見かけたなにげない人たちを、比較的遠くから望遠レンズを使って、のぞき見的に撮っている。スナップ・ショットなのに、構図や色彩が、あらかじめ計算して撮ったように見事。”画家の目で撮った写真”というのが納得できる。今では死語になった白黒の「密着プリント」があったのも懐かしかった。( BUNKAMURA、ザ・ミュージアム)





2020年2月8日土曜日

「隣の芝生は青い」と「人の芝生に入るな!」の話

"The grass is always greener on the other side" & "Get off my lawn ! "

芝生の庭は、もともとはヨーロッパの金持ちがやっていたのがアメリカへ伝わり、庶民の憧れの的になったという。人をうらやむ時の「隣の芝生は青い」というのはアメリカが発祥の諺で、芝生が裕福な生活のシンボルになっていることが分かる。

芝生の庭はアメリカ映画にしょっちゅう出てくる。クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」で、リタイアした年寄りの主人公の家が、デトロイトの比較的貧しい人たちの住む地域なのに、芝生の庭がある。一日中ビールを飲んでいるばかりの主人公だが、芝刈りや水やりはしっかりやっている。近所のチンピラが敷地に入ってきた時「人の芝生に入るな!」と怒鳴るシーンがある。

アメリカ在住の映画評論家の町山智浩が面白いことを書いている。このシーンの「Get off my lawn !」で、観客から笑い声が起きたという。これは頑固爺さんが、庭に入った近所の子供を叱る時の決まり文句だからだそうだ。「コラ!  ガキども、わしの芝生から出て行け!」というニュアンスらしい。それだけ芝生は大事なものということだ。

そういえば、ロサンジェルスは雨がほとんど降らなく、ガソリンより水の方が高いのに、どの家にも芝生用のスプリンクラーがあり、一日中水を撒いている。贅沢なものだ。

2020年2月6日木曜日

水彩画家 K さんの個展

知り合いの Kさんの個展を今年も観にいった。光の美しい、水彩の魅力たっぷりの作品ばかり。現場主義だが、1枚に2日かけているそうで、1日目は2時間くらいデッサンだけやり、翌日にまた出かけて2時間くらいで彩色をするという面白いやり方をしている。

(写真:「小林征治・水彩画集」より)

2020年2月4日火曜日

映画のオープニング・シーン

Opening scene & Establishing shot

ある映画専門サイトに、傑作オープニング・シーンのランキングというのがあり、第1位は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」だった。確かにこのシーンは「絵」として見ても、なかなかうまかった。これから始まるストーリーへのワクワク感を盛り上げている。

ほとんどの映画で、冒頭5分ぐらいの間に、その映画のストーリーが展開する時代・場所・登場人物などの状況設定を説明するシーンがある。こういうオープニングでのショットは「エスタブリッシング・ショット」とよばれる。この絵コンテで、クラシックな車、ハイティーンの若者たち、背景の住宅街、をひとつの構図にまとめている。5 0 年代のカリフォルニアあたりが舞台の青春映画(「アメリカン・グラフィティ」のような)といった設定がこの場面だけで分かる。

ミヒャエル・ハネケ監督はエスタブリッシング・ショットを作らない。「隠された記憶」で、冒頭の 1 0 分位、監視カメラに写った家の映像を延々と流す。何か事件が起こるわけでもなく、その意味は最後までぼんやりしたまま。説明不能の不可解な世界がテーマのハネケ監督にとっては、映画も必然的に「説明しない映画」になる。

2020年2月2日日曜日

感染症の恐怖を描いた絵

Fear of infection

歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリは「ホモ・デウス、テクノロジーとサイエンスの未来」で、人類の最大の敵は、飢饉、疫病、戦争、だったが、この3つは今では完全ではないものの、なんとか押さえ込んで、制御不可能な脅威ではなくなった、と言っている。疫病にしても、現在大騒ぎの感染症の死者は、かつてに比べればわずかなものになった。感染症の恐怖は、たくさんの絵画に描かれてきた。(コメントは同書より)



ウイルスの存在など知らなかった中世の人たちは、感染症は人間の理解を超えた恐ろしい魔物の軍団のように思っていた。この絵では骸骨の姿に擬人化した疫病神が大刀をふるって人間を刈っている。

ペストは皮膚に発疹を起こし、体が膨れ上がり、最後は全身黒くなって死ぬから、黒死病とよばれた。その恐怖をグリューネヴァルトは生々しく描いている。グリューネヴァルトは聖人と悪魔の闘いなどの絵で有名だが、自身もペストで死んだという。

1 4 世紀のペスト(黒死病)の死者は、アジア・ヨーロッパの全人口の4分の1を超えたという。通りには無数の死体が転がり、腐るにまかせていた。

2 0 世紀になっても、有名なスペイン風邪で全世界で 5 0 0 0 万人も死んで、第一次世界大戦の死者より多かったという。「死の島」で有名な 1 9 世紀の象徴主義のベックリーンは、戦争とペストの恐怖で人間の文明は滅びると考えていた。「ペスト」という絵で、コウモリのような怪物に乗ってペストを振り撒く死神を描いた。