2025年10月17日金曜日

映画「トロン」の CG 技術

 Tron

「トロン」の新作「トロン アレス」が公開された。「トロン」のこれまでの3作の公開年を調べたら以下のようだった。1作目からもう33 年もたっている。

1作目 「トロン」      1982 年
2作目 「トロン・レガシー」 2010 年
3作目 「トロン・アレス」  2025 年

3作に共通したテーマは「デジタル」だが、前回書いたように、デジタルの中身が時代とともに変わってきた。そして画像表現技術としての 3D CG 技術の進歩が大きい。

最初の「トロン」は3D CGとはいえワイアフレームのままで、現在からすればとんでもなく原始的だった。しかしこれでも、1982 年当時には、デジタル時代の始まりを感じさせてじゅうぶんに画期的だった。


やがて1990 年代に入るとパソコンの性能が上がり、個人でも3D CG が作れるようになった。当時自分でも国産の3Dソフト「SHADE」を使って3D CG を勉強していた。しかし当時は1枚の静止画をレンダリングするのに数時間かかるのは当たり前だった。だから3D CG の動画を作ることなど夢のまた夢だった。


やがて、ゲーム機で3D 動画が作られるようになるが、それは単色ベタ塗りの塗り絵のようで質感が全くない。それを打ち破ったのがソニーの「プレイステーション」だった。「テクスチャー・マッピング」をした質感のある画像をリアルタイムで動かすことができる「リアルタイム3D CG」だった。ちょうどその時代に第2作の「トロン レガシー」が公開されて、今日と同じレベルの3D CG 映像が実現した。(下はワイアフレームの画像と、それにテクスチャー・マッピングされた画像。)


この頃になると、個人用の PC でも3D CG 動画を作れるようになった。モデリングした画像にテクスチャー・マッピングをするとリアルな画像ができる。そして動きの設定をして、再生ボタンを押すと、動く!  ハリウッド映画に比べたらずっと幼稚だが感動だった。

今度の第3弾も今までと同じく「バイク」が登場する。しかしデザインは今までよりもはるかに強力で迫力満点だが、表現する CG 技術も格段に進歩している。



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