「Mid-summer」
前回、「安楽死」について書いたが、その続き。
「安楽死」とは、治癒の見込みのない人を、本人が望めば、医師が薬を投与して死なせることを意味する。しかし日本では「安楽死」は違法で、直る見込みがなくても、人工呼吸や人工透析や胃ろうなど、あらゆる延命医療を続ける。植物人間になっても生かされ続けるのは、人間の尊厳を奪い、非人道的だと批判される。
「安楽死」と似た概念として「尊厳死」がある。「安楽死」との違いは、医師が薬を投与して死なせるのではなく、延命治療を行わず、自然に死に至らせる。これも本人の希望が前提だが、人間の尊厳を保ったまま死ぬことができる。
欧州では「尊厳死」が古くから認められていたようで、5年くらい前のスェーデン映画「ミッドサマー」はその「尊厳死」を題材にしていた。ある田舎の小さな寒村の慣わしで、ある年以上になると年寄りは自殺する。それは夏至(ミッドサマー)の日に行われる。村人たちは白装束で集まり、会食をしたり、ダンスをしたりして死ぬ人を称える。最後に年寄りが高い崖から飛び降りて死ぬ。強要されて自殺するのではなく自ら望んで、喜んで死んでいく。
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