2017年11月28日火曜日

レアンドロ・エルリッヒ展

Leandro Erlich Exhibition

レアンドロ・エルリッヒはアルゼンチンのインスタレーション・アーチスト。鑑賞者参加型の視覚トリックの作品でとても面白い。一番人気はこれ。人間が壁をよじ登っているが、実は床に水平に置かれた壁の上に乗った鑑賞者が動き回っているのを 45 度傾けた巨大ミラーで見ているだけ。インパクトがすごいが、なんで今までこんなことを思いつかなかったのだろうと思うほど仕組みは単純だ。
(六本木・森美術館、〜'18. 4. 1.)

金沢 21 世紀美術館にもこの人の作品が恒久展示されている。プール水面の上下両方から向こうを見れて不思議だが、厚さ 20 cm 位の水の入った透明な仕切りが間にあるだけ。


2017年11月25日土曜日

製鉄工場

Iron Works


よく通る高速道路から製鉄工場が見える。数キロ先の遠望なので、近くへ行って見ようとしたがガードがかたい。それで「夏休み子供工場見学会」に紛れ込んでやっと入れた。間近に見ると巨大で迫力がすごい。しかし撮影は厳重禁止。

このような煙を出して煤けたいかにも工場らしい工場が今では少なくなって、銀ピカの美しい工場ばかりになった。製鉄が昔のように産業の主役ではなくなったしるしなのだろう。生き残っているこの工場はどこか昔の遺跡のようにも見えてくる。

"Remains"   Mixed media  ( Acrylic,  Pastel ) 100cm × 80cm

2017年11月22日水曜日

ハイネケンとライム

Heineken & Lime
ハイネケンのビール缶とライムをスケッチ。

 Soft pastel on sanded paper

2017年11月19日日曜日

箱根の五百羅漢

500 Statues of  Rakan  ( Followers of Buddha )

箱根へ紅葉を見に行ったついでに、長安寺という寺に五百羅漢像があるというので立ち寄ってみた。以前行ったことのある大分の羅漢寺の五百羅漢をイメージしていたらぜんぜん違う。表情豊かで個性的なキャラクターの像たちは古い時代のものに見えない。調べてみたら、現代の彫刻家たちが作った最近のものということで納得。


2017年11月16日木曜日

映画「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」

Movie  " Rodin "

ロダンが傑作を生み出す過程を臨場感たっぷりに見ることができる。ロダンの「創造」がテーマで、副題の「カミーユ 〜」はサブ的。カミーユが主人公の映画「カミーユ・クローデル」ではロダンの不誠実さがもとで精神が狂ってしまった悲惨な生涯を描いていたが、今回のロダンはカミーユに対してつねに誠実な想いを寄せていたように描かれている。

いちばん詳細に制作過程が描かれているのは「バルザック像」で、モデルを前に頭部の習作を作る場面や、着衣を作るのに現物を石膏に浸す場面など興味深い。また途中でたくさんのバリエーションが試みられていたことがわかる。ラストは箱根「彫刻の森美術館」のこの作品のまわりで子供たちが遊んでいるシーンで終わる。


2017年11月13日月曜日

オレンジ

オレンジをスケッチ。パステルでサンドペーパーに。

" Orange "  Soft pastel on sanded paper

2017年11月10日金曜日

映画「ゴッホ 〜最期の手紙〜」

Movie  " Loving Vincent "

原題の「Loving Vincent」のとおり、ゴッホへのオマージュ映画。ゴッホの死の真相を探るというサスペンス仕立てにしている。実写映像をゴッホ風の手描きの絵に換えたアニメーション映像が面白い。ゴッホの絵のとおりのシーンもたくさん出てくる。

メイキング動画を見ると、実写画像をモニターで見ながら20 号くらいのキャンバスに油絵で描いている。回想シーンは白黒になるが、これはゴッホ風ではなく、水彩で写実的に描いている。百人以上のアーチストで 6万 5000 枚を描いたというから気が遠くなる。

メイキング動画( YouTube より)  → https://www.youtube.com/watch?v=eOtwJL4iV8s


2017年11月7日火曜日

ヒトラーの建築スケッチ

Hitler's architectural drawing

ヒトラーお気に入りの建築家アルベルト・シュペーアの回想録「第三帝国の神殿」を読んでいたら、ヒトラー直筆の建築スケッチが出てきた。ヒトラーはベルリンの都市計画の設計をシュペーアにやらせていたが、熱中のあまり自分でもスケッチしたりした。これはパリに負けない凱旋門を、という意気込みのスケッチ。



ずいぶん時代錯誤的なデザインだと思うが、シュペーアの模型にはほぼこのとうりに取り入れられている。計画は戦況の悪化で実現しなかったのだが、ヒトラーは自殺する最期の時まで実現を夢見ていたという。

スケッチには地平線らしきものが太い線で引かれている。たぶんパースの基準にしたのだと思う。試しにチェックしてみたら、ちゃんと消失点が地平線上に乗っている。若い頃、美術学校を受験したり建築学科を目指したりした経歴からして、ヒトラーはパースの基礎知識があったのだろう。

2017年11月4日土曜日

映画「リュミエール!」

Movie  " Lumiere ! "

こんな映画が見られるとは思わなかった。映画を発明したリュミエール兄弟の撮った120 年前のフィルム約 100 本を集めている。デジタル技術で修復した映像は驚くほど鮮明。1作が数10秒で、カメラの移動やズームもなく、演出も編集もなく、ただカメラ固定でそのまま撮っているだけ。それでも写真が動くということで当時の人々には驚異だった。映画が「映画」になる前の出発点がどんなものだったかよく分かる。
公式サイト → http://gaga.ne.jp/lumiere!/


↓  有名な「工場の出口」と「駅への列車の到着」の2作の原版フィルムを YouTube から。原版なのでぼやけているが、これが今回の映画では鮮明に修復されている。

● 退社時間に工場から工員がぞろぞろ出てくるだけの「工場の出口」
       →   https://www.youtube.com/watch?v=OYpKZx090UE

● 駅へ機関車が入ってくる「駅への列車の到着」 観客は驚いて後ずさりしたという
       →   https://www.youtube.com/watch?v=NmxktCi6zoQ


余談だが、リュミエールとほぼ同じころエジソンも映画を発明した。エジソンの映画は「メアリー女王の処刑」で、女王の首切りのシーンを撮っている。首が転がるところだけは人形を使っていて、トリック撮影のはしりだ。リュミエールの映画はドキュメンタリーなのに対して、エジソンはドラマといえる。
       →  https://www.youtube.com/watch?v=uv9zuJObOek

2017年11月1日水曜日

ディストピア映画ランキング

20 Great Dystopian Films

Taste of Cinema というアメリカのサイトが「ディストピア映画 20 選」を選んでいる。全体主義や超管理主義に支配された絶望的な社会を描くディストピア映画だが、なかなかいい選択をしている。新しい「ブレードランナー 2049 」はどうなるか?
http://www.tasteofcinema.com/2014/20-great-dystopian-films-that-are-worth-your-time/3/

1.「ブレードランナー」(1982)
2.「メトロポリス(1926)
3.「AKIRA」(1988)
4.「時計じかけのオレンジ」(1971)
5.「ダークシティ」(1998)
6.「トゥモロー・ワールド」(2006)
7.「マッドマックス2」(1981)
8.「華氏451」(1966)
9.「未来世紀ブラジル」(1985)
10.「ガタカ」(1997)
11.「マトリックス」(1999)
12.「ゼイリブ」(1988)
13.「マイノリティ・リポート」(2002)
14.「THX 1138」(1971)
15.「12モンキーズ」(1995)
16.「審判(1963)
17.「ソイレント・グリーン」(1973)
18.「ロスト・チルドレン」(1995)
19.「バトル・ロワイアル」(2000)
20.「1984」(1984)

● 1位の「ブレードランナー」は誰でも文句なしだと思う。
● 2位が「メトロポリス」はさすが。90 年前の映画だがいまだに現代性を失っていない。
● 3位に日本アニメの「AKIRA」が入っている。
●「時計じかけのオレンジ」「華氏 451」「未来世紀ブラジル」「1984」などもいい。
●  16 位の「審判」はもっと上でいい。現代人が漠然と感じている不安を映像化した傑作。
●「マッドマックス」や「マトリックス」は?。話は面白いがリアリティを感じない。