Hyperrealism
「ハイパーリアリズム」は超写実主義の絵画をいうが、多くは写真をもとにするので「フォトリアリズム」とも呼ばれる。さらにはそれ以前の、ワイエスやホッパーなどの写実主義も含めて「アメリカンリアリズム」と呼ばれ、アメリカ美術史の主流をなしている。
写実主義の殿堂「ホキ美術館」へ行くと、来館者は「写真みたいだ!」と感嘆している。実際、展示されている絵の多くは、意図して写真に見えるように描いている。しかし「ハイパーリアリズム」はそうではなく、写真を利用しながらも、写真以上に「現実」をありのままに描こうとする。既存の価値観に依存した「美しい絵画」ではなく、「そのものズバリ」を描こうとする。
モデルを美しく、あるいは立派な人間として描こうとする一般的な人物画と違って、ただズバリ「ありのまま」を描いている。
どこにでもあるような裏ぶれた店を描いていて、決して「絵になる風景」ではない。しかし傷だらけの車まで含めて、隅々まで忠実に「現実」を描いている。