パステルは色のスキマから下地の紙の色が透けて見え、完全に隠蔽することができず、スカスカしたようになってしまう。だから、あらかじめ下にパステルと同じ色を塗っておくことで、紙の色が見えないようにする。さらに、下に塗る色を工夫することで、いろいろな効果が出せることが分かってきた。下地が見えてしまうことを逆用して、例えば補色を塗っておくとか、明るい部分に暗い色を塗っておくとかすると、パステルを乗せたとき、面白い効果がでる。
そして、どんな下塗りをするか、下塗りをどう利用するかによって、人それぞれのパステル画が生まれる。パステル画の技法書に載っていた下塗り(underpainting)の事例を3つほど紹介します。