2024年11月23日土曜日

廃れたものの風景

Abandoned

廃屋になった漁師小屋(北海道 日高地方)

大破した漁船(オホーツク)

石切り場の廃トラック(宇都宮  大谷石採石場跡)

残雪、元水産加工場の廃屋(北海道 日高地方)

2024年11月21日木曜日

雨の風景、霧の風景

 Rainy day,  Foggy day


水浸しになった森の林道(大沼公園)

晩秋の冷雨(印旛沼)

郊外の夕方の雨(幕張)

朝霧の川のほとり(シリベツ川)

高原の朝霧(伊豆高原)

夏の早朝、朝もやの森(ニセコ)

2024年11月19日火曜日

ホロドモールと映画「赤い闇」

Holodomor

先日(11 / 16)のNHKニュース で、東京の教会で在日ウクライナ人たちによる「ホロドモール追悼式」を報じていた。

「ホロドモール」とは 90 年前、ウクライナがソ連によって穀物を収奪されて、大飢饉におちいった事件だ。穀倉地帯のウクライナにもかかわらず、数百万人のウクライナ人が餓死した。当時のソ連はスターリンの農業集団化政策が失敗していたことが背景にある。だから「ホロドモール」はソ連が人為的に起こした「飢えによる虐殺」といわれている。今では国連決議で、ジェノサイド(民族大量虐殺)だったと認定されている。

ソ連(今のロシアも)は、そんな事実はないと否定していたが、情報統制の厳しいソ連支配下のウクライナに潜入取材してこの「ホロドモール」の真相を明らかにしたイギリス人の新聞記者がいた。その記事によって真実が世界中に知られるようになった。

その史実を描いたのが映画「赤い闇  スターリンの冷たい大地で」(2019 年)だ。世界恐慌だった 1930 年代、ソ連だけが経済が好調で、穀物の輸出までしていたことに記者は不審を抱き、その理由を調べるために危険をおかしてソ連支配下のウクライナに潜入する。すると街中いたる所に餓死者が倒れている。通る人たちは普通のこととして見向きもしない。調べていくとソ連兵が農家から穀物を丸ごと全部を略奪していく惨状を目にする。パン一つでさえ残らずだ。抵抗する者は捕らえてシベリア送りにする。

新聞社はこれを記事にするか躊躇する。当時の国際情勢から、政治問題化する恐れがあるからだ。しかし記者の勇気ある主張で記事になり、世界中に事実が明かされる。


現在のウクライナの戦争でも、ロシアはウクライナ経済の生命線である穀物の輸出を阻止するために、輸出ルートを爆撃している。

2024年11月17日日曜日

公募展のこと

 

公募展に参加して 18 年になる。一般応募で初めて応募したのは 2006 年だった。それから現在まで 18 年たった。振り返ってみると、会員になるまで 10 年かかっている。

一般応募4年間 → 会友5年間 → 準会員1年間 → 会員(現在まで8年間)→計 18 年間 

会員になるまで 10 年とは厳しいようだが、どの公募展でもだいたいそのくらいかかる。ハードルのひとつは作品の大きさだ。公募展の大きさ規定は、だいたいは 30 号以上〜80 号以下くらいのところが多い。ただ大きく描くだけなら簡単だが、問題は内容だ。風景スケッチ的な絵を応募規定に合わせて大きくしただけでは「タブロー」にならないから、テーマ、題材、表現技法などすべてで、絵を変えていかなければならない。それには普通 10 年くらいかかる。


2024年11月15日金曜日

「Whisper Dishes」ささやきの皿

 Whisper Dishes

TV の旅番組で、どこかの国の 「Whisper Dishes」の紹介をしていた。公園にパラボラアンテナのような大きなお皿を向かい合わせに設置してある。1人がお皿の前で小さな声でささやくと、遠くのお皿の前にいるもう1人にその声がはっきりと届く。パラボラアンテナの原理を応用しているが、向かい合わせることで送受信の双方向で会話ができる。日本では見かけないが外国には結構あるらしい。



昔「デンスケ」と呼ばれる録音機で野鳥の声を生録音することが流行した。その時パラボラ型の集音器が使われた。放物曲面の 皿に当たった音が焦点の位置にあるマイクに集まる。Whisper Dishesと同じ原理だ。


そのデンスケや集音器を作っていた会社が面白いものを作ったことがある。オペラやコンサートの会場で音がよく聞こえるようにするための集音器だった。ヘッドフォンのように頭に掛けて、パラボラ曲面の反射板で音を集める。聞こえにくい時に手のひらを耳にあてるが、その手のひらの面積を拡大しているようなものだ。


2024年11月13日水曜日

「情報の歴史 21」の読み方(前回の続き)

How to read the「The Longest Chronicle」 

松岡正剛の「情報の歴史 21」は情報の内容と手段が時代とともにどう変化してきたかを人類史的なスケールのなかで示している。情報に関係した出来事を1年分だけで 500 くらいが見開き2ページに小さい字でびっしりと埋められている。政治、経済、技術、芸術、文化、に分けられた5つのブロックを横断的に見て相互関係に着目していくといろいろなことに気づく。


例として上は 1925 年のページだが、美術に関心のある人だったら、「アール・デコ展」という小見出しに目がいくかもしれない。その近辺に小さい字で「グロピウスの国際建築」「ルコルビジェの輝ける都市」「ブロイヤーの金属パイプ椅子」「ワイマールのバウハウス」などの事項が並んでいる。あまり意識していなかったが、近代建築・近代デザインと同時代にアール・デコは生まれたことがわかる。商業主義的なアール・デコが、機能主義のモダンデザインから枝分かれしたムーブメントだったことに気付かされる。

「アール・デコ展」の右の文化のブロックには「フィッツジェラルドの小説 偉大なるギャッツビー」があげられている。後に映画化された「華麗なるギャッツビー」で、主人公の豪邸が金ピカのアール・デコのデザインで埋め尽くされていたが、なるほど両者は同じ年だったのかと納得がいく。

ギャツビーの下に「カポネとジョセフィンベーカー」の小見出しがある。「アル・カポネ, 密造酒の元締めに」や「ジョセフィンベーカー, パリ初演. レビューの女王として君臨, チャールストン流行」が挙げられている。ギャングや犯罪や退廃的なキャバレー文化の '20 年代だ。そういえばギャツビーも怪しげな裏社会で稼いで金持ちになったというストーリーだった。

一番左の政治のグロックには「ドイツ復興とヒトラー」と「ムッソリーニとスターリン主義」の小見出しがあり、「ドイツの大統領選でワイマール連合敗北」や、日本の「治安維持法公布」もあげられている。この年は全世界的に全体主義が台頭し始めた年だったことがわかる。科学技術のブロックでは、後に原爆の基礎になる「ハイゼンベルク, 量子力学の基礎的研究」があげられている。やがて戦争の時代へ突入していき、上記のようなさまざまな自由な芸術や文化が抑圧されていく時代を予兆させている。

このように、個々の出来事はすでに知っていることでも、それらを横断的に見て、関連付けることで、その時代全体を俯瞰的に知ることができる。これが松岡正剛のいう「関係の発見」だ。


2024年11月11日月曜日

松岡正剛の「情報の歴史 21」

「The Longest Chronicle」 

今年の夏、松岡正剛氏が亡くなったのを機に、改めて改訂版の「情報の歴史 21」を読んでいる。「形象文字から仮想現実まで」のキャッチフレーズ通り、人類史のなかで「情報」の内容と手段がどう進化してきたかを総覧できる壮大な本だ。改訂版では 2021 年分までを増補している。

見開き2ページに1年分の「情報」に関わる事項が網羅されている。1年分ごとに約 500 くらいの事項を、政治動向、経済産業、科学技術、思想社会、芸術文化、の5つのブロックに分けて並べている。(下は 2021 年のページ)


この本は歴史書でもないし、歴史年表でもない。1年ごとの出来事をただ羅列しただけの本で、その目的について松岡正剛が強調しているのは「関係の発見」だ。羅列した事項どうしを結びつけて、そこに何らかの関係性を見つけだす。それが歴史を「読み解く」ことになる。


2024年11月9日土曜日

映画「アンチソーシャル・ネットワーク」

 「The  Antisocial Network」

「アンチソーシャル・ネットワーク  現実と妄想が交錯する世界」(NETFLIX, 2024 年)というドキュメンタリー映画は、現在のネットワーク社会の反社会的(アンチソーシャル)な側面をえぐり出している。

その始まりは、匿名掲示板サイト「2チャンネル」からだという。コミュニティが希薄になった現代に、これに参加することで仲間との連帯意識が生まれる。しかしそれは現実と妄想が入り混じった歪んだ世界になっていく。このポスターのように、顔がスマホに吸い取られて、エイリアンのような人間になっている。

「2チャンネル」のアメリカ版「4チャン」が生まれてこのネット文化が世界中に広まっていき、さらにさまざま形に”進化”していく。日本の「オタク文化」が世界中で大流行したり、「ネトウヨ」のような過激な書き込みや、有名人の誹謗中傷とか、フェイク情報の拡散、偽サイトによる詐欺など、アンチソーシャルな方向にネット文化が広がっていく。

日本でもネットが選挙に大きな影響をもたらし始めている。アメリカでは政府への抗議デモで人々を動員するのにネットが役割を果たしている。前回大統領選でトランプが落選した時、支持者の国会議事堂の襲撃を煽ったのもトランプのツイッターと岩盤支持層の SNS だった。

その政治的サイトの代表が「Qアノン」で、エリート層たちが国を支配するために陰で悪いことをやっているという陰謀論を唱えている。これを支持する人たちは多い。「Qアノン」は日本でも広がり始めていて、コロナのワクチンは危険なのに国民に打たせているのは政府の陰謀だ、と主張している。科学的根拠が無いと言われても、それは「政府と結託したマスコミが真相を隠している」からだと言っている。

陰謀論を信じる人は、他のメディアが言わない情報をネットをから得て「自分だけが真実を知っている」という優越感に浸っている。そう社会心理学の専門家は指摘している。


2024年11月7日木曜日

トランプ批判映画

 Anti-Trump movie

トランプが大統領へ返り咲きが決まったようだが、タイミングよく NETFLIX で「トランプ  アメリカンドリーム」というドキュメンタリー映画をやっている。不動産事業で大成功し、大統領まで上り詰めていくトランプの人間像を、かつて近くにいた人たちが証言している。

トランプは敵を定めて個人を口汚く攻撃し、そして人々の憎しみを煽る。今度の選挙でもそれを遺憾なく発揮して当選したが、それは不動産業をやっていた頃から同じだったという。自分に批判的なジャーナリストや政治家を脅迫したり、訴訟を起こして失脚させたりすることをやってきた。それを今でもツィッターを使ってやっている。


リベラル派が多いハリウッドはトランプ嫌いが多い。今度の選挙でもジョージ・クルーニーがハリス候補を支援していたし、前回の選挙でもメリル・ストリープがヒラリー・クリントンを支持した。そしてハリウッドは反トランプ的な映画をたくさん作った。

「ボーダーライン」は、メキシコの麻薬組織を撲滅するため、 CIA と国防総省が協力して国境を超えて侵入し麻薬王を暗殺する。もちろん違法行為だ。トランプの最大の公約が違法な移民を排除することだが、アメリカ政府自体が違法な国境越えをしていることを批判している。

もうひとつの例は「マネーモンスター」で、TV のリアリティ番組で司会者が、資産運用のために、ある企業の株を推奨した。ところがその株が暴落する。おかげで全財産を失った若者が拳銃を持ってスタジオに乗り込んで司会者を人質にとる。かつてトランプは TVのリアリティ番組で人気の司会者だったが、その金権体質と無責任な情報操作を痛烈に批判している。

もうひとつの極め付けが「華氏 119」だった。前々回の選挙でトランプが大統領になった時に、ドキュメンタリーの巨匠マイケル・ムーア監督が作った映画で、トランプを痛烈に批判している。トランプの政策がいかにひどいかを取材と一般庶民へのインタビューを通して暴露している。

水道水が鉛で汚染されていることがわかり、水源を変更する。ところが汚染された水は黒人居住地区だけに行くようにしてしまう。人種差別主義のトランプ政権をリアルに描いている。

題名の「華氏 119」は、独裁者が国民の人権を奪って支配するという、有名なディストピア映画「華氏 451」をもじっている。そして「119」は、前々回選挙でトランプが勝利宣言した 11 月 9 日を指している。ちなみに今回トランプが勝利宣言をしたのは、昨日の 11 月 6 日だからわずか3日違いだというのがなにか面白い。

2024年11月5日火曜日

空の風景

 Sky 

まだ降っているが、遠くにかすかな夕焼けが(幕張)

雨が上がり、雲間から青空が見えてきた(霞ヶ浦)

日没直前の残照(室蘭)

早春の暖かい日(霞ヶ浦)

海からの風が寒い(積丹半島)

2024年11月1日金曜日

ポーラ美術館のヘンリー・ムーア

 Henry Moore

印象派の絵画が中心の、箱根のポーラ美術館に、ヘンリー・ムーアの彫刻が一点だけある。「座る女のための習作」という小品が階段の踊り場のようなところにさりげなく置いてある。ヘンリー・ムーアの作品は大型で、公園など屋外に設置されているので、美術館ではなかなか見れないから貴重だ。

ヘンリー・ムーアの作品集に、彼のドーローイングが紹介されている。画家のドローイングと違って、彫刻のためで、3次元を意識している。左の6枚は椅子に座った女性で、ポーラ美術館の作品に通じるものがある。そして身体のマスよりも、手と脚によってできる空間を造形している。中の2枚は、戦争中のナチスドイツによるロンドン空襲時に、地下鉄に避難した人たちのスケッチで、これもムーアは寝ている人の手の形に注目している。

( Herbert Read 「Henry Moore」より

右の1枚は、同じく地下鉄で寝ている人たちの中の子供を抱えた母親の姿を描いている。これも3次元を強く意識した表現で、彫刻家らしい見事なスケッチだ。このスケッチが直接きっかけになったかどうかはわからないが、ムーアは子供を抱いた母親をテーマにした彫刻を数多く制作している。


2024年10月30日水曜日

五重塔の免震構造

Traditional Japanese wooden architecture 

大阪万博の「大屋根リング」が完成したという。この巨大木造建造物は、日本の伝統的木造建築の工法を応用している。代表的なのが清水寺で、崖に張り出した「舞台」を格子状に組まれた木材どうしが支え合う、耐震性の高い構造になっている。

だいぶ昔だが、奈良の薬師寺西塔が再建された時の見学会に参加したことがある。現場を見ながら解説をしてくれたのが再建を手がけた有名な宮大工の西岡常一氏ご本人という贅沢な見学会だった。日本の伝統的建築工法の説明に感動したのを覚えている。


地震国の日本で、奈良時代の五重塔が千年以上もの間、倒れることなく現存し続けている理由を知ることができた。「心柱」と呼ばれる塔の中心を上から下まで貫いている太い柱が地面に固定されているわけではなく、上から吊り下げられている。だから地震の時には振り子のように揺れて、振動エネルギーを受け流してしまう。また5層の各階は積み上げているだけで、固く結合されていない。それで地震の時はクネクネと塔全体が揺れる。清水寺の構造も同じだ。

このような五重塔の構造は、現在の近代的な高層ビルに応用されている。地震の時にはあえて揺れることで振動を受け流す。揺れに抵抗する「耐震」ではなく「免震」の考え方だ。東日本大震災が発生した時、たまたま高層ビルの上階にいたが、揺れが強烈で、立っていることができないくらいだった。このビルは「免震」構造だったからで、心理的恐怖感は強いが、もちろん壊れたりすることはなかった。

2024年10月28日月曜日

戦争の終わり方

「All quiet on the western front」

「西部戦線異状なし」は第一次世界大戦の戦争を描いた名画だが、最近そのリメイク版が公開された。(NETFLIX  2022 年)ドイツとフランスの国境地帯の西部戦線での人間どうしの凄惨な殺し合いを生々しく描き、戦争の理不尽さと虚しさを描いている。

このリメイク版ではオリジナルになかった、戦争終結時における独仏休戦協定を締結する場面が出てくるのが興味深い。これは史実に基づいている。

戦争末期に、打ち負かされて退却を続けるドイツはフランスに停戦を求める。その交渉がパリ郊外の森の公園に展示されている古い客車の中で行われた。フランスが、こんな場所をあえて選んだのは、ドイツに屈辱感を与えるためだった。ドイツはとりあえずの「停戦」を懇願するが、フランスは強硬にはねつける。無条件に降伏する「休戦」協定に署名しろと高圧的に迫り、さもないと戦争をやめないと脅す。毎日戦死者が増え続けているドイツはそれに従わざるをえなかった。この休戦協定の結果、ドイツは国土を奪われ、天文学的な額の賠償金を払わされることになった歴史はよく知られている。


この時の休戦交渉が第二次世界大戦でも繰り返された。しかし今度はドイツとフランスの立場は逆転している。フランス軍は壊滅的な敗北を喫し、ヒトラーはフランスに侵攻する。フランスは無条件降伏して休戦交渉をするが、ヒトラーはその場所を意図的に上と同じ客車の中にする。第一次世界大戦時の屈辱の仕返しをするためだ。休戦協定の結果、フランス国土は占領され、政府は傀儡政権にさせられ、主権国家としてのフランスは消滅してしまう。


ウクライナとロシアの戦争が続いているが、ウクライナは休戦交渉を拒否している。上記の歴史からわかるように「休戦」とは国が占領された現状を固定化することだから、ウクライナは戦い続けるしかない。

2024年10月26日土曜日

アカデミー賞受賞の CG アニメーション「ORIGAMI」

Animation 「ORIGAMI」

CG アニメーション「ORIGAMI」が日本人初の学生アカデミー賞の銀賞を受賞した。作者の金森慧のデジタル・ハリウッド大学の卒業制作の作品だという。小学生の時に折紙に夢中になって以来、折紙の研究を重ねてきた成果を活かしている。一枚の紙が立体の鶴になり、それが空へ羽ばたいていく。そして無数の折紙が乱舞する・・・  作品を YouTube で見ることができる。  →  https://www.youtube.com/watch?v=X0hyTmlsBUI

ひとつひとつの折紙を CG で形づくり、それぞれの動きを設定していく。気が遠くなりそうな手間ひまがかかっている。そのメイキングの過程も見ることができる。  →https://x.com/kei_kanamori


2024年10月24日木曜日

昔の銀座の写真に見えるもの

 Old Ginza

ネットから拝借した昔の銀座の写真だが、ソニーのショールームは古いままで、まだソニービルに建て替えられていない。ソニービルが着工したのが 1964 年だから、だいたい 1960 年代初め頃の写真だと推定できる。


しかしよく見ると、この写真の撮影年は 1961 年だとはっきり特定できる。それはソニーショールームの壁にかかっている4本の映画の垂れ幕広告が見えるからで、4本ともすべて 1961 年に公開された。大の映画好きだった学生の頃、よく銀座や日比谷へ見にいったが、これらの映画も見た覚えがある。


「草原の輝き」エリア・カザン原作で、ナタリー・ウッド主演の青春映画の名作。
「雨のしのび逢い」ジャンヌ・モロー主演の恋愛映画で、これも大ヒットした。
「アメリカの裏窓」フランス人監督の、アメリカ社会の実像をえぐるドキュメンタリー。
「太陽の誘惑」若者たちの自堕落な生活を描いた。クラウディア・カルディナーレ主演。

60 年もたっているから内容はほとんど忘れたが、ナタリー・ウッド、ジャンヌ・モロー、クラウディア・カルディナーレ、とはなんとも懐かしい。


2024年10月22日火曜日

コラージュを使った静物画

 Collage

酒のボトルの魅力はラベルのグラフィックにあるが、それを手描きではとても再現できない。そこで現物のラベルを使ってコラージュすることをやってみた。


ボトルを水に浸けてラベルを剥がし、それを画面に貼る。現物のラベルは外形も文字も垂直・水平のデザインだから、パースがつかないように、視点がラベルの中央に来るように構図を考えておく。

剥がしたラベルは平面になっているので、再びボトルの円柱形にそって丸く見えるように陰影をつける。現物のラベルが絵に溶けこむように、絵全体を写実的に描く必要がある。なお背景のポスターも現物を貼っているが、こちらはもともと平面なので難しくない。

ラベルが現物だと気づかれず、細密描写したように見えれば成功だ。だからこれは一種のだまし絵だ。コラージュの技法はピカソが始めたが、その技法をまったく違う目的で使う邪道な(?)コラージュだ。

2024年10月20日日曜日

酒のボトルのある静物

Still life of bottle 

チンザノ

キャンティ

オランダのビール

シーバス・リーガル