Das Leben der Anderen
いきなりネタバレになるが、ラストのシーンが、東西ドイツが統一された後の主人公の後日譚で、感動的だ。秘密警察の元諜報員だった主人公が、書店に入っていき、ベストセラーになっている小説を手に取る。その本の著者は、自分が毎日盗聴をしていた作家だ。本の題名が「善きひとのためのソナタ」で、巻頭言に「感謝を込めて、HGW XX7 に捧げる」とある。「HGW XX7」とは諜報員だった時の自分のコードネームだった。書店員が「ギフト包装にしますか」と聞くが、「いやこれは自分の本だ」と答えて映画は終わる・・・
思想・言論の自由が厳しく統制されていた共産党独裁政治の東ドイツでは、反体制的な人間は家に盗聴器を仕掛けられて、 24 時間盗聴されていた。しかし主人公の作家は密かに東ドイツの内情を暴露する記事を書いて西側の雑誌に投稿していた。東西ドイツが統一された後、自分が盗聴されていたことを初めて知るが、それなのになぜ逮捕されなかったのか不思議に思う。いろいろ調査すると、盗聴していた諜報員が作家に共感していて、嘘の報告を上層部にあげていたのだ。その名前が 「HGW XX7」 だったことを知る、その経験をもとにして書いたのが映画の最後に出てきた小説「善きひとのためのソナタ」だった・・・
前々回書いたように、東西分断の厳しさを東ベルリンバスツアーでわずかながら経験したので、この映画にリアリティを感じる。
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