2026年7月1日水曜日

アンドリュー・ワイエスの晩年の作品

 Andrew Wyeth : Memory & Magic

現在、都美術館で開催中の「アンドリュー・ワイエス展」は行けそうにないが、昔からワイエスの ”追っかけ” だった。日本で初めて「ワイエス展」があったのはたしか1974年の京都だったと思うが、わざわざ車で見に行った。それ以降もたびたびあった「ワイエス展」は必ず見てきた。それ以外にも、ワイエスを所蔵している小さな私設の美術館へも出かけた。例えば秩父市にある「加藤近代美術館」(現在は閉館)や、埼玉県にある「丸沼芸術の森」などだった。上は有名な「クリスチーナの世界」の習作スケッチだが、これは「丸沼芸術の森」で見ることができる。

画集も集めたが、その中で「Andrew Wyeth : Memory & Magic」は、比較的新しい本だが、あまり知られていない晩年の作品が載っている。ワイエスは2009年に91歳で亡くなったが、下の絵はその10年くらい前の作品。

どこかの室内に月の光が差し込んでいる。左の窓に月の一部が見えている。遠くには高速道路を走る車のヘッドライトが並んでいる。ワイエスが描いてきた古い農家のモチーフとはまったく違う。ワイエスらしくないといえばワイエスらしくない。

「Renfield」 1999

海岸で鳥の羽根が風に舞っている。晩年のワイエスはこのようにファンタジックな傾向が強くなる。

「Airbone」 1996

海岸に打ち上げられた厚い氷の塊から手首が二つ出ている。ファンタジックを超えてちょっと不気味だ。晩年にはどこか「死の気配」を感じさせる絵を描いたといわれるが、これもそのひとつのようだ。

「Breakup」 1994