2025年5月25日日曜日

AI は「頭のいいバカ」

 Artificial Intelligence

AI とは?について議論が盛んだが、AI の声を神の声のように崇拝する人と、逆に人間が AI に支配されるのではと恐れる人、に二分されるようだ。どちらも AI の知能は人間を超えるという前提に立っている。しかし個人的には、口は悪いが、AI は「頭のいいバカ」だと思っているから、崇拝もしないし恐れもしない。そのいい例が囲碁 AI だ。

チェスと将棋は早々とAI が人間より強くなったが、世界一複雑なゲームといわれる囲碁はなかなかそうならなかった。ところが 2016 年にアメリカのディープ・マインド社 が「アルファ碁」という最強の AI を開発した。この AI と韓国のトップ棋士が3番勝負の対決をしたのだが AI が完勝してしまった。

人間は 10 手先くらいまでしか読めないが、コンピュータは1秒間に何百回の演算能力があるので、50 手くらい先までしらみつぶしに読んで、最善の次の一手を割り出す。さらに学習能力を持つ AI は、人間同士が打った何万局もの棋譜を学習し(いわゆるディープ・ラーニング)勝ちになりやすい手を学んでいく。だから、長年の経験から身につけた「直感」に頼っている人間は負ける。それでプロ棋士たちは AI 戦法を必死で学ぶようになった。

だがしかし・・・・ 囲碁が趣味の自分もパソコンで AI と対局するが、100 %勝てる。布石や定石のセオリー通りに打つと AI は強い。ところがわざと普通ではあり得ないとんでもない手を打つと、 AI は混乱してしまい、初心者並みの手を打ってくる。そうやって AI をいじめて楽しんでいる。 AI は「頭のいいバカ」だと思う理由だ。

AI (Artificial Intelligence)は「人工知能」で、文字通り「人間が作った知能」だ。決して「神工知能」ではない。だからあくまでも人間の知能の上に成り立っていて、その限界を超えることはない。だから学習したことのない手を打たれると、それに対処できない。今はやりの生成 AI も同じで、絶対に間違いのない ”正しい” 答えを出すが、同時にそれは誰でも知っている当たり前の答えで、誰も考えなかった「創造的」な答えを出すことはない。やはりAI は「頭のいいバカ」だ。


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