2025年2月27日木曜日

「小田原評定」

 The Congress dances, but it doesn't progress

よく行く小田原だが、小田原城を見るたびに「小田原評定」の言葉を思い出す。「評定」(ひょうじょう)とは「会議」のことで、豊臣秀吉が攻めてきた時、小田原城で北條家の家臣たちが、籠城するか反撃するか降伏するかで会議をするが、3日続けても結論が出せず、その間に滅ぼされてしまったという話は有名だ。

現在でも会社などで「決められない会議」のことを「小田原評定」と言ったりする。日本人なら誰でも知っているこの言葉だが、小田原市民にとっては屈辱だろう。だからか小田原城の公式 HP の歴史の記述に、この言葉はひとことも出てこない。

これに似た言い方は海外にもある。秀吉の小田原侵攻どころでないプーチンのウクライナ侵攻だが、それへの対応で NATO 諸国はひとつにまとまれずにいる。話しあいばかりやっていて行動を起こさないから「NATO」は「No Action, Talk Only」だと皮肉られる。それは国連も同じで、何度会議を開いてもまともな決議ができず、機能不全におちいっている。

歴史上最も有名な小田原評定は「会議は踊る」だろう。ナポレオン失脚後に、欧州各国首脳がが集まり、戦後体制を決める「ウィーン会議」が開かれる。しかし各国の思惑が食い違って、まとまらない。だが連夜に派手な舞踏会が開かれる。そこで生まれたのが「会議は踊る、されど進まず」という有名な言葉だ。

これを題材にした 1931 年の映画「会議は踊る」は有名で、「ウィーン会議」に出席していたロシア皇帝が、連日の会議に飽き飽きして、街娘と逢瀬を楽しむというミュージカルだ。それほど会議が悠長だったことの証拠だろう。


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