Midsummer
5年くらい前のスエーデン映画だが「ミッドサマー」は衝撃的だった。スエーデンのある小さい村が舞台で、夏至(ミッドサマー)の日に祝祭が行われる。白装束の村人たちが集まり宴会をしたり、儀式めいたダンスが行われる。明るい光景だがどこか異様な感じがする。するとクライマックスは、崖の上に立った年寄りが下に飛び降りる。下は硬い岩だから瞬間に体は飛び散る。万が一死ななかったときは村人が用意したこん棒で殴り殺す。これはフィクションではなく、スエーデンに昔からあった風習だという。生産力が無くなった年寄りを養うのはコミュニティにとって負担だから死んでもらうということで、日本にもあった姥捨山と同じだ。今では世界一の福祉国家と言われるスエーデンだからなおさら衝撃が大きい。
日本と同じく、高齢者医療が負担になっているスエーデンでは、寝たきりになった高齢者には人工的な栄養補給などの延命治療は行わず、「緩和ケア」という名の看取りを行うようになっているという。この映画は、そういうスエーデンの死生観のルーツを見せてくれているようだ。
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