Grilled eel in Ukiyo-e
うなぎは万葉集にも「夏痩せによし」とあるくらい古くからの夏の食べ物だったが、江戸時代に醤油とみりんを加えたタレをつけて焼く、今と同じ蒲焼の食べ方が確立したという。初めはファストフード的な食べ物で、屋台で一串が 3 2 0 円くらいだったそうだ。歌川国芳の「春の紅蜺」という団扇絵で、女性がうなぎの串を両手で掴み、豪快にガブリといこうとしている。
やがて料理屋で、ご飯の上にうなぎを乗せた「うな丼」スタイルが登場すると、値段は今とほぼ同じ約 4 0 0 0 円くらいになり、次第に贅沢なご馳走になっていったという。国芳の団扇絵「土用午」では、うなぎ屋の店先で、女性が浴衣の袖をたくし上げて、威勢よくさばいている。うなぎの背中側に包丁を入れているから、今の関東式と同じだ。
以上、林綾野「浮世絵に見る江戸の食卓」より
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