2023年8月15日火曜日

映画「ヴァチカンのエクソシスト」と「エミリー・ローズ」

 「The Rope's Exorcist」&「The Exorcism of Emily Rose」

公開中の「ヴァチカンのエクソシスト」を観たが、「エクソシズム」(悪魔祓い)は中世の話かと思っていたがとんでもなく、現在でも世界中でエクソシストたちが活躍していることを知った。この映画は、ローマ法王からじきじきに任命された「チーフ・エクソシスト」の実話に基づいている。冒頭で、カソリック教会の”近代化”をはかりたい教皇庁幹部からエクソシズムを止めるように言い渡されるが、主人公のチーフ・エクソシストはそれを無視する。このあたり現代における教会の内部事情が見えて興味深い。

イタリアの田舎にある廃墟になった中世の修道院に母子3人がやって来る。すると突然下の男の子が悪魔に取り憑かれて狂ってしまう。凶暴化した少年は、まわりの人間に襲いかかり、周囲を破壊しまくる。エクソシストが呼ばれて悪魔祓いをする。やり方は十字架をかかげながら、神の名で祈り続けて、「悪霊よ、去れ!」と命じる。しかし簡単には成功せず、悪霊対エクソシストの必死の攻防が繰り返される・・・


エクソシズムの映画はたくさんあるが、ほとんどが悪魔に憑かれて狂った人間が襲ってくるといったホラー映画仕立てになっている。ホラー映画でない唯一の例外が「エミリー・ローズ」(2005 年)で、現代におけるエクソシズムがどういうものかがよく理解できる映画だ。これも実際にあった事件をもとにしている。

信心深い女子大生が悪魔に取り憑かれて狂ってしまう。精神疾患だと思われて精神科医に通い薬を飲んでいるが効かない。エクソシストの神父が呼ばれて悪魔祓いを行うが、薬を飲むのを止めさせる。やがて彼女は身体中が自傷だらけになって死んでしまう。医学的治療をやめさせて”宗教的治療”に専念させたとして神父は業務上過失致死罪で起訴される。映画は検察側対弁護側が対決するスリリングな法廷劇になっている。

最終判決で裁判官は、懲役 10 年を言い渡すが、続けて「ただし刑期は本日をもって終了したものとする。」というどんでん返しで終わる(ネタバレ)。つまり、科学の立場の検察側と、宗教の立場の弁護側の両方を認めた判決で、科学時代の現代においてもエクソシズム自体は否定されていないということがわかる。


0 件のコメント:

コメントを投稿