「A History of Poster in Japan」
「明治・大正・昭和初期 日本ポスター大図鑑」という本が出た。400 ページにも及ぶ大冊で、膨大な数のカラー図版とともに詳細な解説がされている。ただ時系列で作品を並べただけでなく、各時代の文化的背景などを含め、様々な切り口から日本のポスター発展の歴史を解説している。
戦後の日本は、世界的なポスター大国になったが、この本が取り上げているのは、戦前までで、「グラフィック・デザイナー」などという言葉がなく、「図案家」と呼ばれていて、まだポスターが発展途上の時代だった。
明治では浮世絵的な表現が残っていたり、大正・昭和では西欧のアール・デコの影響を大きく受けたりした。1930 年代の戦時体制の時代には、政府の国策ポスターが全盛になる。その時影響を受けたのが、第一次世界大戦時の西欧の国策ポスターを紹介した「大戦ポスター集」という本だったという。図案家たちはそれを手本にしたり、翻案したり、時にはデッドコピーしたりした。この本では、それらを元ネタと並べて紹介していて面白い。
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