2021年2月18日木曜日

建築家が主人公の映画

 Architect in movies

映画の主人公が画家の場合、だいたいが、才能があっても世に認められず、経済的にも苦しい孤高の人間として描かれる。それに対して建築家の場合は、知的で社会的な地位が高く、経済的にも恵まれているという役柄設定が多い。しかしそれは、主人公のイメージを表すために職業としての建築家を使っているだけで、建築の「仕事」そのものが映画のテーマと絡んでいるケースはほとんどない。

例えば「いつも二人で」は、若い建築家がだんだん認められていくにつれて、豊かになっていき、妻と二人で自由気ままな生活をエンジョイするというストーリーだが、彼の「仕事」は一切出てこない。それに対して、思いつく唯一の例外は「摩天楼」で、主人公がフランク・ロイド・ライトをモデルにした建築家で、彼の語る建築哲学が映画そのもののテーマになっている。

「幸福の条件」(1 9 9 3 年)は、その二つの中間的な映画だ。真面目で誠実な建築家の主人公は、愛妻家で、妻に裏切られても最後には許してまうというストーリーで、「真実の愛とは何か」というテーマの映画だが、主人公の建築の仕事ぶりのシーンがところどころに出てくる。建築ドローイングをしたり、建築模型をいじっていたりする。しかしそれは映画全体のテーマとは直接関係していない。ただ主人公の真摯な性格を示すために使われている。


大学の建築学科で講師も勤めているのだが、建築について熱く語る。そのシーンでスライドに写す建築に、巨匠ルイス・カーンの代表作として有名な「ソーク生物学研究所」が出てくる。カーンは人間も作品も真摯な建築家だったが、それを主人公に語らせることで、主人公自身の人間性を表現している。


ソーク生物学研究所(1 9 6 3 年設立、カリフォルニア州サンディエゴ)

0 件のコメント:

コメントを投稿