「Fantasyland, How America Went Haywire」
アメリカという国を、狂気と幻想の「ファンタジーランド」だとしていて、アメリカの様々な現象の「なぜ?」が分かって面白い。現実と空想の境目が曖昧な幻想の世界が生み出され、人々もそれを積極的に求める。それを「根拠なき熱狂」と呼んでいる。「科学を否定するリベラル派」「狂信化するキリスト教」「ガンクレイジー」「幻想で商売する娯楽ビジネス」「ファンタジーランドのウェブ世界」「巨大テーマパーク化する社会」などのキーワードが並ぶ。
絵画についての部分をちょっと紹介。18 世紀アメリカの絵画として「ハドソン・リバー派」が有名だが、それが生まれた時代背景に触れている。彼らは現実の風景から集めた断片的な素材を合成して幻想の風景を描いた。現実と空想が混ざった、いかにもありそうな風景だが、人々が抱いているアメリカの理想の自然像だ。アメリカ移住時代に「恐怖と不安」だった自然が、荒野が切り開かれ、人が住むにつれ、「崇高」な自然に変わり、このような絵が生まれたという。たしかにハリウッドのファンタジー映画や S F 映画などにもこういうイメージがよく出てくる。
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