2019年12月4日水曜日

SF ディストピア小説「すばらしい新世界」

「Brave New World」

オルダス・ハクスリーの名作 SF 小説「すばらしい新世界」が来年待望の映画化されると聞いて、あらためて原作を読んでいる。ディストピアの未来をユートピアの姿で描いた皮肉たっぷりの小説で、細かいディテールにいたるまでまことしやかに大真面目に書いていて、思わず笑ってしまう。

500 年後の未来は、すべての人が幸福に暮す社会が実現している。戦争も貧困も病気もない理想的な社会。それを維持するために、人間は「孵化工場」のベルトコンベアーで大量生産される。瓶の中で人工受精され、胎児は完璧に品質管理されている。だから親子関係は存在せず、結婚制度もない。フリーセックスが奨励され、「快楽薬」というドラッグを与えられ、「触感映画」というバーチャル・リアリティ映像を見る幸せな毎日を送る・・・

この 90 年も前の小説に書かれている未来は、遺伝子操作で人間を作るという現在のテクノロジーが向かっている方向と恐ろしいほどぴったり一致している。

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