2019年4月26日金曜日

遠藤彰子の魚眼的風景

Akiko Endo

遠藤彰子の「光景」は、広場で子供たちが遊んでいて、大人がまわりの建物から眺めている。描かれている個々のパーツは日常的なのに、絵全体は非現実的に感じる。真下から遠景まで、右の建物から左の建物まで、目では見えない広い視角で描かれている。そして建物が湾曲しているのも魚眼レンズの見え方だ。

「私の街」は、通路や階段が建物と絡み合っていて、中心は深い谷底になっている。ねじれたり反転したりしている、現実にありえない迷宮のような街を描いている。


2作に共通しているのは、すり鉢状の空間を描いていて、それを真下から向こう側まで、すり鉢の全周を視界に入れていること。これは魚眼の視覚でないと描けない。

0 件のコメント:

コメントを投稿