2018年8月10日金曜日

映画「バンクシーを盗んだ男」

Movie "The man who stole Banksy"

「どうやって?」と思いつつ観に行ったら、本当に電動ノコギリで壁ごと切り取ってしまうのにはびっくりした。億単位の値がつくバンクシーだから、やることが荒っぽい。


盗まれたのはパレスチナにある「ロバと兵士」。イスラエルが建てたパレスチナを分断するための壁には世界中のストリート・アーチストたちが集まり抗議のグラフィティを描いている。このバンクシーの作品はいちばん有名で、イスラエルの兵士がロバの通行証を調べている。ロバはパレスチナ人を表し、従順で平和的な人たちまで敵視するイスラエルを批判している。(イスラム教徒を差別し、エルサレムはイスラエルの首都だと言って分断をさらに深めようとするトランプ大統領への抗議にもつながる)

これもパレスチナのバンクシーの絵で、テロリストが爆弾の代わりに花束を投げつけている。絵で抗議する「芸術テロリスト」のバンクシー自身の姿だろう。彼は民衆に熱烈に支持されるが、同時に本物のテロリストと同じで、決して現実の政治を動かすことはできないだろう、ということも映画の中で語られる。


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