閑人の絵日記
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2017年7月19日水曜日
「ベルギー 奇想の系譜」展(その2)
Exhibition " Fantastic Art in Belgium " #2
運河沿いにレンガ造りの工場のような建物があるが、窓ガラスは割れていて廃墟になっている。暗くひっそりとして人間の存在を感じない。ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンクというベルギー象徴主義の画家の幻想的な作品。
同じくベルギー象徴主義でさらに有名なのが、今回は来ていなかったがクノップフの「見捨てられた町」という作品。ベルギーの普通の家だが、家を描いているのではなく、家が「無人であること」を描いている。中世に交易で栄えた都市ブリュージュが衰退して死都になってしまった(今は観光客だけの町)空虚さを象徴的に描いたと言われている。
以前アントワープにしばらく滞在していたときに狭い裏通りをよく歩いた。中世と変わらないような、でこぼこした石畳の道と黒くすすけた石造りの家の街並みが暗く陰鬱で、人がいる気配がない。ベルギーでこういう幻想絵画が生まれる理由がわかったような気がした。
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