"Lion-man" : The oldest art
この約4万年前の彫刻が人類最古の芸術作品だそうだ。頭がライオンの人間で、「ライオン人間」と呼ばれている。
今の人類はすべてホモサピエンスの子孫だが、それ以前にはネアンデルタール人などの人類種もいた。彼らは生存競争でサピエンスに負けて消滅した。両者が縄張り争いで戦いをしたとすると、武器などの戦闘力では互角だったが、サピエンスのほうは、戦略を考える能力があったり、メンバーを組織化して統率したりできたので必ず勝てた。
戦略とか組織のような物理的には存在しない「虚構」を頭に思い浮かべることができたのは、サピエンスだけに起きた「認知革命」のおかげだった。それが発展して現在の世界は、国家・経済・法律・教育などありとあらゆる「虚構」で成り立っているが、芸術もそのひとつ。ネアンデルタール人も洞窟壁画で動物を描いていたが、それと違ってこのサピエンスのライオン人間は実在しない動物だ。作者のイマジネーションで生まれた「虚構」の産物なので「芸術」になれた。
以上「サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福」による。(この本、とんでもなく面白い)
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