2015年1月20日火曜日

映画の中の自動車 (1)          「いつも二人で」のMG


「いつも二人で」
   1967年、イギリス、監督:スタンリー • ドーネン、主演:オードリー • ヘップバーン

オードリー • ヘップバーン主演のロマンチック • コメディで、監督の腕が冴えるおしゃれな作品。恋人同士から新婚時代を経て、倦怠期にいたるまでの夫婦の絆を12年間の時間軸のなかで描いているが、その間、建築家である夫が出世するにつれて、乗る車がレベルアップしていくようすが面白く描かれています。映画の大部分が車を運転しているシーンで、車が主役級の役割をしています。


若い頃の主人公が旅をしながらヒッチハイクでいろいろな車に乗る。トラクターの荷台や VWのマイクロバス、アメ車のステーションワゴンなどがコミカルに描かれています。


新婚になった二人が買った中古のオンボロ MG で走るシーンがこの映画の中心ですが、とてもいい。ドライブしながら口喧嘩ばかりなのだが、自由気ままに生きる生活に、開放感あふれる MG はぴったりの車です。

夫の仕事が順調になるにつれて、車は中古車を卒業し、トライアンフになり、最終的にベンツ 230 SLになります。相変わらず口喧嘩ばかりなのですが、結局、お互いに好きで分かれることができません。

映画の原題は「Two for the Road」ですが、明らかにこれは、「車で道を共に走る二人」という意味と「人生という道を共に進む二人」という意味を重ねたものだと思います。単に便利な道具というだけでない、人にとっての自動車の意味への思いがを込められていると思います。登場する MG 1940年代の 「MG TD」 というクラシックなモデルですが、後の’60年代には「MGB」に受け継がれます。走る楽しさに徹した軽量オープン2シーターで、年配の方にはおなじみだったと思います。さらに後年、これとぴったり同じコンセプトを復活させたマツダ • ロードスターが大成功をおさめますが、買った人のかなり多く(自分もその一人ですが)は、かつて「MGB」 にあこがれた人たちだったのではないでしょうか。

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