2014年8月8日金曜日

シド • ミードの未来ファンタジー(1)

マシン化した建築

「ブレードランナー」は SF 映画の最高傑作だと思うが、発表当時はまったく人気のない作品だった。しかし近年では 「SF 映画の金字塔」というように、正当に評価されるようになったようだ。人間とまったく見分けがつかないまでに発達して社会にまぎれこみ害悪をもたらしているロボットを探し出して破壊する役目のブレードランナーが活躍する SF アクション映画だ。

この映画にでてくる都市、建築、乗り物、小道具、などのビジュアルすべてをデザインしたのがシド • ミードだ。シド • ミードは自身を「フューチャー • アーティスト」と呼んでいるとうり、未来のイメージを描く天才だと思う。車のデザイナーから出発して、イラストレータになり、近年では「ブレードランナー」のほかにも「トロン」「エイリアン」など映画の仕事で大活躍している。

彼の描いたイメージスケッチをもとにセットやCGが作られ、映像化されていく。下のスケッチは「ブレードランナー」用に描かれた巨大高層ビルの上からの俯瞰した都市のイメージ。はるか下の地面で人間がうごめいている。ビルの壁面はエンジンの部品のような機械パーツでびっしり覆われていて、人間が住んでいることを感じさせるような窓などはない。人間がマシン化したロボット社会に対応するかのように建物もマシン化したように描かれている。(図版引用:「CONCEPTS OF SYD MEAD  "OBLAGON"」より)


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