Reni Riefenstahl
一昨日(7 / 1 )、NHK の「映像の世紀」で、「ワイマール ヒトラーを生んだ自由の国」をやっていた。第一次世界大戦後、ドイツに世界一先進的な民主主義憲法「ワイマール憲法」ができ、国民は自由を謳歌していた。しかしそれはたった14 年でヒトラーによって覆されてしまう。なぜそうなってしまったかを当時の映像で解き明かしていている。
ワイマールの自由な時代に、ドイツは文化的な大躍進をする。物理学のアインシュタイン、精神医学のフロイト、文学のトーマス・マン、建築のグロピウス、などが歴史的功績を残した。しかしヒトラーの時代になると、彼らは弾圧を受けてアメリカへ亡命した。
映画も同じで、ドイツは先進的な映画で革命を起こす。しかし当時の映画人はほとんどがユダ人だったために、ヒトラーの弾圧で、アメリカへ亡命した。そして番組は、レニ・リーフェンシュタールをおおきく取り上げていた。彼女はユダヤ人ではなく、しかも熱烈なナチス礼賛者だったので、ヒトラーに寵愛された。もともとダンサーだったリーフェンシュタールは映画監督として、ナチス党大会の記録映画「意思の勝利」で大成功を収める。
そしてベルリンオリンピックの記録映画「オリンピア」を任される。今ではヒトラーのプロパガンダ映画として悪名高いが、その映像美は画期的で、映画技術的には今でも評価が高い。
移動カメラによる撮影や、競技場に穴を掘って極端なローアングルで撮ったりしたのは有名だ。さらに、いい映像が撮れなかったときに、選手にもう一度やらせることまでしたという。そして開会式で、大観衆全員が手をあげて「ハイル・ヒトラー!」と叫ぶ壮大なシーンを ”やらせ” で撮った。またヒトラーの人種差別主義が反映されていて、例えば黒人選手が優勝した場面を撮らなかったりしている。
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