「White House & Hollywood」
「大統領とハリウッド」(村田晃嗣)という本は、アメリカの政治と映画の関係を説いていて興味深い。アメリカのエンターテインメントの2大中心地として「西のハリウッド、東のホワイトハウス」という言葉があるそうで、今のバイデン対トランプの大統領選挙戦でも、ショウビジネス化した政治が、見ていて楽しめる。今度のトランプ銃撃事件で、さらにドラマが盛り上がることだろう。同書によれば、「映画と民主主義は共通点が多い。いずれも多数の支持を必要とし、イメージを操作し、そして「物語」を必要としている。だから映画大国アメリカでは、大統領が映画に格好のテーマを提供してきた。」そして政治とエンターティンメントの融合が永く続いてきた。
トランプはもともと、テレビ番組の司会などしていて、メディアで名を挙げた人だ。映画にも20 本以上カメオ出演していたという。だからトランプはメディアとの親和性が強い。(本の表紙の帯の写真は司会者時代に、マリリン・モンローの”そっくりさん” との2ショット写真)
大統領になっても政治手腕を疑問視され、強い批判にさらされながら、メディアを巧みに活用してきた。特にツィッターの利用が巧みで、敵を定めて個人を口汚く攻撃する。 同書は、それをプロレスの「ヒール」(悪役)に近い、と言っている。今度の銃撃事件でも、流血しながらも拳を振り上げて「Fight !」と叫んでいるのもプロレス的だ。あの場面でカメラを意識して、瞬間的にこういうポーズを取れるのは天才だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿